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切り絵&日本画作家 サエラの日常・制作・活動記録
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昨日に引き続き展覧会作品について。

こちらは恒例の高校同期グループ展に出品したものです。
(詳細画像はこちらから↓)
gekkousha.kagennotuki.com/simpleVC_20081006175329.html

『神書』というタイトルで、三枚一組の作品です。
展示のテーマが「本にまつわる」だったので、
日本で最古の本(書物)である古事記を題材にしました。

古事記は簡単にいうと大和朝廷が日本を統制するまでの建国記を
神話仕立てに記した古墳時代の歴史書みたいなものですが、
内容をそのまま読むと、正直ものすごい無茶苦茶な話ばっかりです(笑)

とにかく、その中の第1巻に収められている神生み神話の中で
一番最後に生まれ、おそらく一番メジャーな神である天照大御神と
その時一緒に生まれた兄弟がモチーフです。

左から、
・月読命(ツクヨミノミコト)
・天照大御神(アマテラスオオミカミ)
・須佐之男尊(スサノオノミコト)
名前くらいは聞いたことあるんじゃないかと思いますが、
アマテラスは伊勢神宮の神様で、スサノオは八坂・氷川・津島などの
神社の神様です。ツクヨミはあんまりメジャーじゃないですけど。
とりあえず、古事記や日本書紀の中ではこの三神をまとめて
三貴子と呼んだりします。

貴子っていうからには親が存在しますが、これも名前ぐらいは
知ってるんじゃないかと思います、イザナギ・イザナミです。

火の神を生んだ時の火傷で死んでしまった妻イザナミに会うため
死後の世界へ行ったイザナギが醜い姿になり果てた妻を見て
逃げ帰った後、黄泉のケガレを祓うために川で体を清めた時の雫から
三貴子が生まれたそうです。

もうすでにツッコミどころ満載ですが、続けますよ(笑)

とにかくそうして生まれた三貴子は今までにない美しい姿をしていたので
感激した父神イザナギはそれぞれに夜の国・天界・海原(画像順)を支配
することを任せます。(正確にはこれは古事記ではなく日本書紀の記述)

しかし、スサノオだけは「お母さんに会いたいよ~!!」といって泣き喚き、
海や川が枯渇し大地は荒野と化し、魑魅魍魎が跋扈するようになって
しまったので父神に国を追放されてしまいます。
追放されたスサノオは姉神アマテラスに許しを得て母のいる黄泉の国へ
行こうと、アマテラスのもとを訪れました。

アマテラスは問題児スサノオが自分の国を乗っ取りにやってきたと思い、
臨戦態勢で弟を迎えます。
スサノオは誤解だと言いますが、それが本当かどうか占いの儀式で判断しようと
いうことになり、結果どうやらスサノオの言葉は真実のようでした。
しかし、占いの結果が良かったことに調子に乗ったスサノオは結局
アマテラスの国で暴れまわります。
最初のうちはフォローしていたアマテラスもだんだん怖くなって、ついに洞窟に
隠れて引きこもってしまいました。

アマテラスが隠れてしまうと世界は光を失い、あらゆる災いが起きました。
困った神々はなんとかアマテラスを洞窟から誘い出そうと、お供えをしたり
祝詞を唱えたりしました。その中で、天宇受売(アメノウズメ)命が踊り、
やがて全裸に近い状態で乱舞しだしたのを見て周りは大爆笑になりました。

するとアマテラスは「私がいなくて大変なはずなのに、何がそんなに面白いのかしら」
と、洞窟の入口を塞ぐ岩をちょっとだけずらして外を覗きました。
集まった神々はその隙を逃さず岩を押しのけ、アマテラスを引っ張り出すことに
成功したのでした。

このへんが有名な天の岩戸神話ですね。

で、問題児スサノオはというと、この一件でアマテラスの領地・高天原も
当然のことながら追放されます。
そうしてついに人間の住む地(出雲)へ降り立ちます。これが本当の天下り。

それで懲りたのか、着地に失敗して頭をぶつけたのかわかりませんが
人間界に来てからスサノオは改心しているのです。
大蛇の生贄にされそうになった稲田姫を助け、姫を妻にしてそのまま
出雲に住み着くのでした。
ちなみにこれが有名なヤマタノオロチ退治の伝説で、倒した大蛇の体から
出てきた剣が巡り巡って後にヤマトタケルが持つ草薙の剣となります。

さて一方天界では厄介物もいなくなり、落ち着きを取り戻していました。
([続きを読む]へ。)


そんなある日のこと、 アマテラスはもう一人の弟神・ツクヨミを
呼び出して食物を司るウケモチ神のもとへ遣いを頼みます。

ウケモチはツクヨミの来訪を喜び、たくさんの御馳走を出して
もてなしましたが、その方法は口から食べ物を出すというものでした。
これはこの神の性質なので悪意は全くないのですが、ツクヨミは
「なんと汚らわしい!口から吐いたものを食えと言うのかこの無礼者!!」
といって問答無用にウケモチを斬り殺してしまいました。

これを聞いたアマテラスは激怒してツクヨミと絶縁します。
ゆえに、太陽と月は昼と夜とに別れて出るようになったのだとか。
その後アマテラスが別の遣いにウケモチの神殿を見に行かせると、
バラバラに刻まれたウケモチの死体からそれぞれ粟・稗・稲・麦・
大豆・小豆などの穀物が生じていたので遣いはそれを持ち帰り、
アマテラスに献上しました。
アマテラスはこれを人が生きてゆくのに必要な食物の種として
人間に与えました。

そういったエピソードから、ツクヨミは農耕神としての性格
を持つようになりました。太陰暦を使っていた昔は今よりも
重要なポジションで扱われていたと思われます。

三貴子にまつわる古事記のエピソードはこんな感じです。
んなアホな!と思いますが、討伐とか惨殺とかの話はおそらく
他民族と戦って得た戦利品や技術を意味するのでしょう。

とりあえずこういったエピソードを踏まえ、それぞれの神の性格を考慮して
出来上がったのが『神書』の神々であります。
これを読まれれば各神の手にしているものや背景デザインの意味が
おわかりいただけるのではないかと思います。
(外枠のデザインは神鏡をイメージしてます)

ぶっちゃけ、神経質ナルシスト野郎高飛車引きこもり女
マザコン凶暴男というイメージですけど。

ついでに、切り絵で男を作ったのは実はこれが初です。しかもヒゲ野郎(笑)

展示会場側の要望で派手な色の使用は避けてほしいとのことだったので、
ほぼモノトーンになりましたが色で区分けできない分、描線のつなげ方や
白黒のバランスを考えながら下絵作らなきゃいけないので頭使いました。

今回は古墳時代のわりとリアルな衣装で描きましたが、もっと神々しい
感じの創作衣装でいつかまたリベンジするのもアリかもしれません。。。





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SAERA / サエラ
[自己紹介]
名古屋在住の絵描き。
切り絵と日本画を中心に
夜な夜な制作中。

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